好きにさせるから、覚悟しろよ ~再会した幼なじみがめちゃめちゃ迫ってきます〜

 と、相変わらず私をけなすようなことを言ってきた。

 りっちゃんの前でも罵られた私は、またまた涙がこみあげてきてしまった。

 だけどりっちゃんは、そんな隆くんに向かってクールにこう言い放った。

「は? 何、だっさ」

「あ⁉ なんだと律!」

「自分が全然成績上がらないからって、頑張ってるゆずに八つ当たりしてんのがだっさって言ってんの。あっという間にゆずに越されちゃったもんなあ、お前」

 私とあまり身長の変わらないりっちゃんは、隆くんを見上げながら言う。

 だけど堂々と、冷静に反論するその姿はとても大きくて、そしてかっこよく見えた。

 そう言えば、私いつの間にか隆くんより成績良くなっていたんだ……。

 塾の席は成績順で決まって、一番前にもっとも成績がいい子が座る。

 りっちゃんは常に最前列をキープしているけれど、私は最初は一番後ろだった。

 だけど最近やっと真ん中くらいになれたんだ。

 そのタイミングで隆くんは私より後ろになってしまったのを、今になって思い出す私。

 それが理由で、最近私に突っかかってきていたのかな……。

「は⁉ う、うっせー!」