「あったまったみたいだね、ゆず」

　りっちゃんがニヤニヤしながら言う。

　きっと、一目で分かるほど私の顔は真っ赤になっているのだろう。

「そ、そりゃ、いきなりこんなことされたら、熱くなっちゃいます……」

　カーっとなりながらも、私はたどたどしく言う。

「毎日キスしてんのに、ゆずって全然慣れないよね」

「えっ、ご、ごめん」

　いつまでも子供みたいだと言われたような気がして、思わず謝ってしまう私。

　確かにりっちゃんはほとんど毎日私にキスをしてくる。

　付き合ってから三か月だって考えると、もう相当な回数キスをしているはずなのに……。

　なんでこう、毎回死ぬほどドキドキしちゃうんだろ⁉

　そう思った私だったけど、りっちゃんは首を横に振った。

「そんなゆずがめっちゃかわいいんだって。そのままでいいよ」

「い、いいのかな？」

「うん。ってかゆずだったらもう俺はなんでもいいや。……って、マジ俺ゆずのこと好きすぎるよな」

　何気ない口調で、とんでもなく甘い言葉を言ってくる。

　私の顔はさらに熱を持ってしまう。

　――だけど。