二月になり、一月よりは寒さが和らいだ気がするけど、まだまだ手がかじかむくらい気温が低い。

「手がマジ冷たい」

 りっちゃんの指先は、白くて見るからに冷たそうだった。

 私が思わずりっちゃんの手を触ると、とてもひんやりとしていてびっくりしてしまった。

「わ! ほんとに冷たいね~」

「マジ? でもゆずの手は温かいな」

「え、ほんと? じゃあ……」

 私はりっちゃんの指先を手のひらで包んで、さすり始めた。

 そうしたらちょっとはりっちゃんも温かくなるかなって。

 ――すると。

「あー、ゆずの手のお陰であったまった」

 りっちゃんは頬を緩ませて嬉しそうに言った。

「ほんと? よかったー」

「うん。じゃあ次は俺がゆずを温める番ね」

 えっ、どうやって?

 と、私が思っていると。

 りっちゃんは悪戯っぽい笑みを浮かべ、私の頬に手を添えると。

 なんとそのままキスしてきたのだった。

「な、な……」

 何の前触れもない口づけに、私は呆然としてしまう。

 途端に、まるで蒸気が出てるんじゃないかって思えるほど、顔が熱くなってしまった。