「い、いきなり……! え、あ、び、びっくりした……」

 たどたどしく私が言葉を紡ぐと。

「ごめん、嫌だった?」

 りっちゃんがそう尋ねてきたので、私はぶんぶんと勢いよく首を横に振る。

「い、嫌なわけない……! 嬉しい、です。恥ずかしい、けど……」

「よかった。……ってか、恥ずかしがるゆずめっちゃかわいいんだが」

「……! も、もうからかわないで!」

 私が頬を膨らませると、りっちゃんは「ごめんごめん」と軽く言って、ばつが悪そうに笑った。

 しかし次の瞬間にはスッと真剣な顔をして、私は見つめてきた。

 熱っぽい視線をりっちゃんに向けられ、私は自然と体を強張らせる。

 もう一度キスをしてくるんだろうって、なんとなくわかった。

 そしてやっぱり、りっちゃんは再度私に唇を重ねてきた。

 さっきよりも長くて、熱くて、私の唇をりっちゃんが味わうかのようなキスだった。

 私は心臓が大きく飛び跳ねてるんじゃないかって思うくらい、すごくドキドキしてしまう。

 それと同時に感じていたのは、深い幸福感。

 りっちゃんと触れ合うのって、こんなに幸せなことだったんだ……。