「実は私……。りっちゃんのことを今日再会するまで女の子だって思ってました! ごめんなさいっ」

 昼休みになって、美緒と一緒にお弁当を食べた後。

 私はりっちゃんと共に、あまり人通りのない中庭の隅に移動した。

 込み入った話になりそうだったので、誰かに聞かれたくなかったからだ。

 そして、りっちゃんとふたりきりになった私が、勇気を振り絞って自分の勘違いについて伝えると。

 りっちゃんは大層驚いたらしくて、何度も瞬きをした。

「えっ……。俺が女? 何それ、マジ?」

「う、うん……。マジ、です」

「そんなに子供の時の俺、女っぽかったっけ」

 首を傾げてりっちゃんが私に問う。

 私は首をぶんぶんと横に振った。

「ううん! りっちゃんの顔があまりにもきれいだから、私が勝手に女の子って思い込んでただけなのっ。よ、よく考えればりっちゃん自分のこと『俺』って言ってたし、言葉遣いも男の子だったのに……。だからりっちゃんが変、とかじゃないからっ」

「なんだ、そっか」

 私の必死な弁明をりっちゃんは受け入れる。