驚く私だったけど、りっちゃんはさも当然のようにこう答える。

「そうだよ。誕生日なんだから、そりゃプレゼントはするでしょ」

「そ、そうかもしれないけどっ。でも、ワンピースなんてそんなに安くないし、プレゼントその二もあるってことでしょ⁉」

「もちろん。だって盛大に祝うって約束じゃん。何年も誕生日をスルーしちゃったんだから、その分を今年祝わせてよ」

 りっちゃんが爽やかに、だけどちょっとお茶目に笑う。

 予想以上に豪華なお祝いに、ついたじろいでしまう私だったけど。

 もちろん、嬉しい気持ちも湧き上がってきた。

 私のためにアルバイトまでしてくれて、お祝いをいろいろ考えてくれて。

 子供の頃の約束を、りっちゃんは大切にしてくれていたんだね。

 これはもう、素直に喜んで受け取るのが一番いい気がした。

「……ありがとう、りっちゃん。本当に嬉しい」

「そっか。よかった」

「うん……! 試着してくるね!」

 店員さんにお願いして、フィッティングルームを借りて入り、早速試着する私。