「わ、私の方こそっ! りっちゃんは頑張ってくれていたのに、誕生日のこと忘れちゃったのかななんて思っちゃってごめん。……最近、玲奈ちゃんが現れたことで私もいろいろ考えちゃって」

 つい玲奈ちゃんの名前を出すと、りっちゃんが真剣な表情になった。

「……そっか。俺は本当に玲奈のことを従妹としてしか思ってないんだけど……。ゆずの立場からしたら、玲奈の存在って微妙だよな」

「あ……。玲奈ちゃん、かわいいから。あんな子と一緒に住んだら、りっちゃんも心惹かれちゃうんじゃないかってつい思っちゃって……」

「ごめん、ちゃんと玲奈のことはゆずに話しておくべきだった。俺は何とも思ってないし、今後も思うことはないって。詳しくは、今から行くところで話そう」

「今から行くところ?」

 私が首を傾げると、りっちゃんはいつもに増してかっこよく微笑んだ。

「だから、ゆずのお祝いを盛大にできる場所。――あ、すみません。ちょっと柚葉さんをお借りしていいですか?」

 りっちゃんが私の背後に向かって言葉を放ったので、思わず振り向くと。