微笑んだ私服のりっちゃんが立っていた。
りっちゃんの私服は、パーカーやTシャツとかいつもは割とラフな格好なのに、今日は黒いジャケットを羽織っている。
なんだかいつもと違っていて、大人っぽいかっこよさを醸し出していた。
しかしいまだにりっちゃんが目の前にいることが信じられなくて、私は呆然として立ち尽くしてしまう。
「あれ。何そんなに驚いてんの、ゆず」
「だ、だって……。私の誕生日なんて、りっちゃん覚えてないんだろうなって思ってて……」
「え? だって約束したじゃん昔。『大きくなったらもっと盛大にお祝いしてあげる』って」
りっちゃんはさも不思議そうに答えた。
その言葉を口にした時の、小学五年生のりっちゃんの姿が今の彼と重なる。
りっちゃん……ちゃんと覚えていてくれたんだ。
「嬉しい……! 最近りっちゃん忙しそうで一緒に帰れなかったし、誕生日も前もって約束とかなかったから、てっきりりっちゃんは忘れているんだとばかり……」
「あー、ごめんごめん。ゆずの誕生日のためのこっそり準備してたんだ」
りっちゃんは苦笑を浮かべてから、こう続けた。
りっちゃんの私服は、パーカーやTシャツとかいつもは割とラフな格好なのに、今日は黒いジャケットを羽織っている。
なんだかいつもと違っていて、大人っぽいかっこよさを醸し出していた。
しかしいまだにりっちゃんが目の前にいることが信じられなくて、私は呆然として立ち尽くしてしまう。
「あれ。何そんなに驚いてんの、ゆず」
「だ、だって……。私の誕生日なんて、りっちゃん覚えてないんだろうなって思ってて……」
「え? だって約束したじゃん昔。『大きくなったらもっと盛大にお祝いしてあげる』って」
りっちゃんはさも不思議そうに答えた。
その言葉を口にした時の、小学五年生のりっちゃんの姿が今の彼と重なる。
りっちゃん……ちゃんと覚えていてくれたんだ。
「嬉しい……! 最近りっちゃん忙しそうで一緒に帰れなかったし、誕生日も前もって約束とかなかったから、てっきりりっちゃんは忘れているんだとばかり……」
「あー、ごめんごめん。ゆずの誕生日のためのこっそり準備してたんだ」
りっちゃんは苦笑を浮かべてから、こう続けた。



