好きにさせるから、覚悟しろよ ~再会した幼なじみがめちゃめちゃ迫ってきます〜

 でも親に怒られることなんて、もはや俺の中では些細な事柄に成り下がっていた。

 ゆずと過ごしているこの時間が、あまりに大切で、かけがえのない瞬間に思えて。

 他の感情が俺の心に入る余地なんて、まったく無かったんだ。

 そんな風に、穏やかで幸福な時をゆずと一緒に過ごしていたら。

「あっ、いた! こらー! 柚葉! 一体こんな時間まで何やってるの!?」

「律! まったくもう、心配したのよっ」

 公園の入り口からそんな怒鳴り声が聞こえてきて、俺はびくりと身を震わせる。

 ゆずの母と俺の母が、血相を変えた様子でジャングルジムに駆け寄ってきていた。

 どうやら塾から帰ってこない俺たちを探し回っていたらしい。

「げ、やば。お母さんたちだ……」

 ゆずが一気に青ざめた表情になった。

 どうやらゆずは、遊ぶのに夢中で親に怒られることなんてまったく頭に無かったようだ。

 そんな単純なゆずの様子が面白すぎて、俺は吹き出しそうになる。

 しかしカンカンになっている両親の手前、笑い声なんてあげたら火に油を注ぐことになるので俺はなんとか堪えた。