急にりっちゃんの反応が気になって、私は隣の席をおずおずと見る。

 りっちゃんは唇を引き結んでいた。

 一見するといつものクールな表情に見えたけれど、眉間にわずかに皺が寄っている。

 りっちゃんを昔から知っている私なら分かる。

 あれは彼が、不機嫌な時の面持ちだ。

 私がそう気づいた瞬間チャイムが鳴って授業が始まってしまった。

 美緒やりっちゃんを取り囲んでいたクラスメイト達は、急いで自席へと戻る。

 や、やばい。

 りっちゃん、私が勢いよく否定したから怒っちゃったのかな……。

 でもりっちゃんが男の子だったってことだけでも驚きでいっぱいなのに、ましてや付き合うだなんて頭がついていかないよ……。

 今までは、なんだか失礼な気がしてりっちゃんが女の子だって思い込んでいたことを言わずに済まそうと思っていた私だったけれど。

 もうこれは、正直にちゃんと説明するしかないよね……。

 そう思いついた私は、スマホの画面をタップする。