そしてうちの親はわりと教育熱心な方だったので、こんなテストの結果を見せたら怒られるんじゃないかって戦々恐々だった。

 すると、そんな時。

「りっちゃん、どうしたの? 暗い顔しちゃって」

 塾の授業が終わって帰り支度をしている時に、ゆずが尋ねてきた。

「え……」

 ちょっと驚いた。

 自分では全然そんな顔をしているつもりなんてなかったんだ。

 俺はゆずと違って、ポーカーフェイスで何を考えているかよくわからないって言われるタイプだったし。

 現に、他の誰も俺の胸の内なんて気づいている様子はなかった。

 だけどゆずだけは、落ち込んでいる俺に気づいたんだ。

「あ……。実はさっき返された模試の結果が悪くて」

「え!? りっちゃんが⁉」

 大層驚いたようで、大きな瞳をさらに見開くゆず。

「うん、ほら」

 俺が模試の結果の紙を見せると、ゆずは「ふんふん」と言いながら眺める。

 そして顔を引きつらせた。

「……え。これで悪いの? もし私がこの点数だったらめっちゃ嬉しいんだけど……。あ、でもりっちゃんは塾で一番だからこれでも悪いのかあ……」

「ま、まあ」