だから、俺に対する「好き」の気持ちの正体が分かったら、付き合えるかどうか考えるって。

 玲奈の言い分は正しいのかもしれない。

 結局ゆずは俺を男として見ていなくって、俺の恋は実らないのかもしれない。

 ゆずと再会し、ゆずの気持ちを聞いてから、俺はずっとそれを不安に思っていたんだ。

「六年越しの想いが届かないなんて、かわいそうな律。ゆずちゃんはひどい子だね。――でも私は……どんなことがあっても律が好き。この気持ちが一生揺らがない自信があるよ。律なら何を言われてもいい。何をされてもいい。……どんな言うことだって、私は聞く」

 そんな俺の心につけ入るかのように、玲奈は甘く囁くように言った。

 どちらかというと年齢の割には幼い顔なのに、妖艶に微笑んだその表情は、色気に満ち溢れている。

 そういえば、まだ両親は仕事から帰ってきていない。

 俺と玲奈以外、今家には誰もいない。

 そんな中「何をされてもいい」という美少女が迫ってきている、この状況。

 俺は歩いてベッドに近寄り、玲奈の傍らに立つと口を開いた。

「……本当に、なんでも聞いてくれるの?」