思えば、私はりっちゃんにずっとドキドキさせられていたんだ。

 小学生の頃から。

 そう、私がりっちゃんを女の子だって思い込んでいた時から。

 もう男の子だとか、女の子だとか、関係ない。

 私は長い間ずっと、りっちゃんに恋をしていたんだ。

 だって、顔を思い浮かべるだけで胸がときめいて、大好きっていう気持ちが常にあふれ出てしまうこの気持ち。
 
 小学生の時から抱いているこの想いが恋じゃなかったら、何が恋だっていうの?

 私は男の子として現れたりっちゃんに、恋をしたんじゃない。

 りっちゃんという存在に、幼い頃からずっと恋焦がれていたんだ。

「だったらさー、柚葉ちゃん。私に律のこと譲ってくれないかな? 別に私と律が付き合っても柚葉ちゃんと律は友達同士であることには変わらないわけだし。ねっ、いいよね?」

 うきうきとした声で私に提案する柚葉ちゃん。

 その笑顔を壊すのは、正直忍びない。

 でも、だけど。

 私だって、自分の気持ちを抑えるつもりはない。

「……ごめん。無理だよ、玲奈ちゃん」

「え?」