えっ?

 別に私は玲奈ちゃんのことを嫌っているわけじゃないし、一緒に帰るのは構わないけれど。

 玲奈ちゃんは、みんなから「律の嫁」って言われている私をあまり良く思っていないんだって思ってた。

 さっきだって、ほんの一瞬だったけど私を睨んだような気がしたし……。

 でも実はそんなことないのかな?

「う、うん。いいよ」

 断る理由が無くて、私が頷くと。

「やったー! 私、まだ律以外の友達いないからさっ」

 玲奈ちゃんは満面の笑みを浮かべて、弾んだ声を上げる。

 素直で表情豊かな様子が、とてもかわいい。

「そっか、転入してきたばっかりだもんね」

「そうなの~。昨日柚葉ちゃんと挨拶できてよかったよ~!」

 なんて話をしながら、私たちは並んで歩く。

 するとやっぱり、必然的にりっちゃんの話になった。

 私たちふたりの共通点なんて、りっちゃんくらいだしね……。

「律はアメリカでもモテモテでね! アメリカ人の年上の女の子からもよく声をかけられてたの~」

「えっ!? そ、そうなの……?」

 アメリカ人の年上の女の子……。