だけどその微笑みの下は、きっと不安でいっぱいなんだと思う。

 だって、私がもし玲奈ちゃんの立場だったらそうなるはずだから。

 りっちゃんのことが好きでアメリカから追いかけてきたというのに、そのりっちゃんに「嫁」という存在がいただなんて知ったら。

 きっとショックに違いよね……。

 もちろんそんな玲奈ちゃんの胸のうちなんて知る由もない男子は、能天気にこう答える。

「あー、柚葉ちゃんのことだよ。なんかまだ付き合ってはいないらしいんだけどさ。もう見るからにお互い好き同士だから、はよくっつけやお前らって感じ?」

「……お前、皆まで言うなよ」

 りっちゃんは呆れ顔になるだけで否定はしなかった。

 まあ、りっちゃんが私を好きだって言うのは周知の事実だし、私だってりっちゃんを好きなことは間違いない。

 今までは、それが恋なのかどうか判別できなかったから、付き合っていなかっただけ。

 だけどそれもようやく、分かりかけてきたところだった。

「……ふーん。そうなんだ」

 俯き加減で玲奈ちゃんが言う。