その言葉は、まるで自分に言い聞かせるような気持だった。

 ――だけど、そうだよ。

 だってりっちゃんが、そう言っていたじゃない。

 『俺が好きなのはゆずだけだから』って。

「そうなの……? でもあんなかわいい子が同居って、やっぱり不安じゃない? 律くんならまあ大丈夫だと思うけど、万が一心変わりしちゃったり……。せっかく、柚葉が誕生日に向けて前向きに考えているところだったのに」

 確かに、もうすぐ迫っている自分の誕生日に向けて、りっちゃんに対する自分の気持ちをきちんと固めようって考えていたところだった。

 それなのに玲奈ちゃんという突然現れた存在に、私の心はかき乱されている。

 どうしてこんなに、心がざわつくの……?

「大丈夫大丈夫。きっとりっちゃんにとって、玲奈ちゃんは家族みたいなものなんだよ」

 そんな不安を打ち消すように、私は明るい声を出した。

 実際、りっちゃんの玲奈ちゃんに対する気安い態度は家族と考えれば、しっくりくるものではある。

 うん、そう思うことにしよう……。

 そんな風に私が考えていた時。