りっちゃんと玲奈ちゃんとは少し離れたところで、私は美緒と一緒に居た。

 いきなりりっちゃんの前に現れた美少女に、美緒は困惑しているようだった。

「あ……。あの子はりっちゃんの従妹なんだって」

「従妹⁉ な、なるほど。それなら同居もありえなくないか……」

「うん。昨日私も聞いたんだけどね」

 何気ない口調で美緒に言葉を返した私だったけど、顔が引きつってしまう。

 心の中に生まれた不安は、また大きくなってしまっていた。

 すると美緒は心配そうに私を見つめてきた。

「……大丈夫なの柚葉」

「え、何が?」

「だってあの玲奈って子、見るからに律くんのことが好きじゃない? それも一緒に住んでるってめっちゃやばいじゃん?」

 美緒はやっぱり鋭い。

 玲奈ちゃんがりっちゃんに恋してるのは、まあたぶんパッと見で誰でもわかると思うけど……。

 平気そうに笑っている私の不安を、瞬時に察してくれた。

 ――だけど。

「あー……。でも、りっちゃん昨日ね。玲奈ちゃんはただの従妹で、それ以上の気持ちはないって言ってたんだ」

 私は平静を装って答える。