美緒も健吾くんが改心したと思っていたから、とても驚いていた。

 そしてギリギリのところで私を助けてくれたりっちゃんに、心から感謝しているようだった。

「うん。りっちゃんは昔からかっこよかったけど、今回改めて私も思ったよ~」

「そりゃ、あんなことがあればねえ。……あんた、今まで以上に律くんに惚れちゃってるじゃん。なんか些細なことですぐに顔真っ赤になるしさ」

「え……。美緒、気づいてたの?」

 まさに今そう考えていたところだ。

 だけど誰にも言っていなかったから、私のそんな変化にいち早く気づいた美緒にちょっとビビる。

 すると美緒は「ふっ」と小さく噴き出した後、こう答えた。

「気づいてたの?って。そんなの、柚葉の様子見てればすぐにわかったよ~! あんた分かりやすいしさ」

「そ、そう?」

 りっちゃんも気づいているのかな……と少し不安になる私。

 りっちゃんも美緒と同じように鋭いもんなあ。

 でもりっちゃんは何も私に言ってこないし、気づいていないと思いたい……。

 私がそんな希望を抱いていると。

「そろそろ結論を出したら? 考える時間はたっぷりあったでしょ?」