今では何気ない会話だったり目が合ったりしただけで、胸が高鳴るようになってしまった。

 健吾くんから助けられて、これまで以上に私はりっちゃんを好きになっちゃったみたい。

 も、もしかしてやっぱり。

 これって恋、なのかなあ……。

 休み時間、そんなことを考えながら少し遠くで友達と話しているりっちゃんを眺めていたら。

「……柚葉、何顔赤くして律くんに見惚れてるの?」

 呆れた顔をして、美緒に突っ込まれた。

「えっ!? わ、私顔赤くしてたっ?」

 全然そんなつもりなんて無かった私は、慌てて尋ねる。

「してたしてた。ポーッとうっとりした顔してた」

「ええ……」

 恥ずかしくなって、私は小さくなってしまう。

 遠くから見つめているだけで赤面しちゃってるなんて……。

 どれだけりっちゃんのこと好きなの、私。

「律くん、あの健吾くんからも守ってくれたんだもんねえ。マジ優しくてかっこいいわあ」

 美緒もりっちゃんを眺めながら(もちろん赤くなっては無い)、しみじみと言った。

 健吾くんとの間に起こった出来事については、美緒にはすでに説明している。