好きにさせるから、覚悟しろよ ~再会した幼なじみがめちゃめちゃ迫ってきます〜

「くっ……」

 見下すように言うりっちゃんの言葉に、健吾くんが悔しそうな声を漏らした。

「ゆずをナンパから助けたって聞いたけど、そのナンパ自体やらせなんじゃないの?」

「え……? りっちゃん、どういうこと?」

「たぶん、他校の友達とかにゆずをナンパするように頼んだんだよ。で、それをこいつが王子様ヅラして助けに入る流れってわけ」

 驚愕する私だったけれど、健吾くんは何も答えない。

 反論が無いってことは、きっとりっちゃんの言う通りなんだろう。

 そういえばさっき健吾くんが「いろいろ仕組んだ」とは言ってたけど……。

 仕組んだって、まさかそういうこと!?

 ナンパされた時は本当に怖くて、助けに来てくれた健吾くんに本気で感謝したのに。

 そんな気持ちを踏みにじられて、私はますます健吾くんに嫌悪感を覚えた。

 「いろいろ仕組んだ」って健吾くんは言っていたから、ナンパ以外にも仕込みがあったのだろう。

 アイスティーを零して私からハンカチを借りたのも、わざとだったんじゃないかと思う。

 ――こんな人のことを信じてしまった自分が馬鹿みたいだ。

「ひどいよ、健吾くん……」