りっちゃんは健吾くんを睨みつけながら、怒気のはらんだ声で言う。
私はそんなりっちゃんの傍らに駆け寄った。
健吾くんから離れたくて。
――優しいりっちゃんの側にいたくて。
「りっちゃん! どうしてここが分かったの?」
「ああ。実は俺、ひとりで帰るゆずの後をつけてたんだよ」
「えっ!?」
驚きの事実だった。
だって、全然気が付かなかったよ……。
「ゆずがひとりなら、こいつがなんか変なことしてくるんじゃないかって思ってさ。……ま、そしたら案の定ってわけ」
「……! り、りっちゃんすごすぎ……!」
予想を見事に的中させたりっちゃんに対し、私は感嘆の声を上げる。
と、当事者の私は全然そんなこと考えていなかったっていうのに……。
りっちゃんは、相変わらず健吾くんに眼光の鋭い瞳を向けている。
対する健吾くんは、唖然とした顔でりっちゃんを見返していた。
予想外のりっちゃんの登場に、声も出ないみたいだ。
「でもやっぱり確証はなかったし、俺の勘違いでこいつがいい奴だったら何も言わずに帰るつもりだったんだけど。……想像以上に悪い奴で笑えるわ」
私はそんなりっちゃんの傍らに駆け寄った。
健吾くんから離れたくて。
――優しいりっちゃんの側にいたくて。
「りっちゃん! どうしてここが分かったの?」
「ああ。実は俺、ひとりで帰るゆずの後をつけてたんだよ」
「えっ!?」
驚きの事実だった。
だって、全然気が付かなかったよ……。
「ゆずがひとりなら、こいつがなんか変なことしてくるんじゃないかって思ってさ。……ま、そしたら案の定ってわけ」
「……! り、りっちゃんすごすぎ……!」
予想を見事に的中させたりっちゃんに対し、私は感嘆の声を上げる。
と、当事者の私は全然そんなこと考えていなかったっていうのに……。
りっちゃんは、相変わらず健吾くんに眼光の鋭い瞳を向けている。
対する健吾くんは、唖然とした顔でりっちゃんを見返していた。
予想外のりっちゃんの登場に、声も出ないみたいだ。
「でもやっぱり確証はなかったし、俺の勘違いでこいつがいい奴だったら何も言わずに帰るつもりだったんだけど。……想像以上に悪い奴で笑えるわ」



