にやりとした、どこか不気味な笑みを浮かべていた。
反射的に恐怖を覚えた私は健吾くんから離れるように後ずさる。
だけど健吾くんはそんな私に迫るように顔を近づけてきた。
「……去年さ。柚葉ちゃんが誰とも付き合う気が無いって言うから、仕方なく諦めたふりをしてやったのにさあ」
「あ、諦めたふり……?」
「そうだよ。それなのに、あの律ってやつと付き合うかもって? ありえないんだけど。それなら俺だってよくない?」
「え……」
「律ってやつ、確かに顔はかっこいいけどさー。でも俺だって顔面偏差値は高い方だと思うんだよなあ。だからいいじゃん、別に俺でもさ」
健吾くんはニヤニヤしながら、間延びした声で言った。
その豹変っぷりに怖さを感じてたじろいでいた私だったけれど、健吾くんのその言葉には怒りを覚える。
私がりっちゃんを顔だけで選んでるって、言われた気がしたんだ。
「私は……私はりっちゃんがイケメンだから好きなわけじゃない!」
私は声を荒げてそう主張する。
今までうろたえているだけだった私の思わぬ反撃に健吾くんは戸惑ったのか、彼の顔から笑みが消えた。
反射的に恐怖を覚えた私は健吾くんから離れるように後ずさる。
だけど健吾くんはそんな私に迫るように顔を近づけてきた。
「……去年さ。柚葉ちゃんが誰とも付き合う気が無いって言うから、仕方なく諦めたふりをしてやったのにさあ」
「あ、諦めたふり……?」
「そうだよ。それなのに、あの律ってやつと付き合うかもって? ありえないんだけど。それなら俺だってよくない?」
「え……」
「律ってやつ、確かに顔はかっこいいけどさー。でも俺だって顔面偏差値は高い方だと思うんだよなあ。だからいいじゃん、別に俺でもさ」
健吾くんはニヤニヤしながら、間延びした声で言った。
その豹変っぷりに怖さを感じてたじろいでいた私だったけれど、健吾くんのその言葉には怒りを覚える。
私がりっちゃんを顔だけで選んでるって、言われた気がしたんだ。
「私は……私はりっちゃんがイケメンだから好きなわけじゃない!」
私は声を荒げてそう主張する。
今までうろたえているだけだった私の思わぬ反撃に健吾くんは戸惑ったのか、彼の顔から笑みが消えた。



