確かに、去年の健吾くんはやばかった。

 そんなことまで直感で見抜いてしまうりっちゃんはやっぱりすごい。

 だけどもう健吾くんは、もうそんなことはしないって私にちゃんと謝ってくれたんだ。

 昔のことを反省した健吾くんのことを、いまだに悪く言うのは良心が痛む。

「そんなことないよ。健吾くん、今はすごくいい人だよ。この前、私がナンパされて困ってた時に助けてくれて……」

「ナンパ……? 何ゆず、そんな目に遭ってたの?」

「あ……。う、うん。心配かけると思って、りっちゃんには言ってなかったんだけど」

 りっちゃんの顔がさらにきつくなって、ついナンパの件について漏らしてしまったことを後悔する私。

 するとりっちゃんはちょっと悲しそうな笑みを浮かべた。

「……ゆずはあいつのことかばうの? 俺よりあいつのことを信じるのかな」

「えっ!? かばうっていうか、その……」

 かばうというよりは、改心したっぽい健吾くんのことをりっちゃんにちゃんと知ってほしかった。

 別にりっちゃんのことを信じてないってわけじゃない。