好きにさせるから、覚悟しろよ ～再会した幼なじみがめちゃめちゃ迫ってきます〜

「柚葉ちゃんはオムライスなんだ。かわいいだけあって頼むメニューもかわいいんだね」

「は？　ゆずがかわいいのは当たり前だし」　

　よくわからない健吾くんの誉め言葉に、棘のある口調で応戦するりっちゃん。

　き、気まずい。

　私は苦笑を浮かべて受け流すことしかできない。

　その後も「なんか会うの久しぶりだね～」という健吾くんに「あんたが教室に来なくなったからな。すげー快適だったわ」なんて、あからさまにりっちゃんは嫌味を言う。

　健吾くんはそんなりっちゃんの言動に傷ついている様子は無かったけれど、私はいたたまれない気持ちになってしまう。

　りっちゃん……。

　さすがにちょっと、健吾くんへの態度酷くない？

　そんなこんなで三人ともお昼ご飯を食べ終わると、「じゃーねー」と健吾くんは明るく挨拶をして去って行った。

「ゆず、俺たちも教室に戻ろう」

　何事も無かったかのように、いつものかっこいい笑みを浮かべてりっちゃんが私に言う。

　りっちゃんと並んで廊下を歩く私だったけど……。

　やっぱりどうしても気になって、私はこう尋ねてしまった。