好きにさせるから、覚悟しろよ ~再会した幼なじみがめちゃめちゃ迫ってきます〜

 じゃあ別にいっか。

「う、うん。いいよ」

「よっしゃ、ありがと~」

 うきうきした様子で、私の隣へと座る健吾くんだったけど。

「……ねえ。悪いんだけど、ゆずの隣は俺だから」

 不意に低い声が頭上から聞こえてきて、私はハッとする。

 注文したらしいチャーシューメンが載ったトレイを持った、りっちゃんだった。

 特に一緒に食べる約束はしていないのに、私の元へ来てくれたりっちゃんの行動を嬉しく思いつつ――。

 健吾くんに対するつっけんどんな物言いに、内心うろたえる私。

 そ、そうだった。

 健吾くんがいると、りっちゃんはすごく機嫌が悪くなるんだった!

 健吾くんと会うのが久しぶりで、つい私は忘れてしまっていた。

 こ、こうなるんだったら健吾くんの誘いを断るんだったよ~。

 と、後悔しても時すでに遅し。

「あ、そうなの? それはごめんね」

 健吾くんは笑みを浮かべたまま、私の向かいの席に移動した。

 りっちゃんの冷たい態度を気にした様子はない。

 そうこうして三人でお昼ご飯を食べることになったのだけど――。