一応りっちゃんは私のことが好きだから、焼きもち……とか?

「べ、別にすごく仲がいいってわけじゃないよ。友達のひとりだよ」

 健吾くんのことを本当に何とも思っていない私は、すぐにそう言った。

 りっちゃんに誤解されたくなかったんだ。

 ――だけど。

「ふーん……」

 りっちゃんは相変わらず不機嫌そうに声を漏らし、何か言いたげに私を見ていた。

 でも、その時先生が教室に入ってきて授業が始まっちゃったので、それ以上は何も言ってこなかった。

 ――りっちゃん、やっぱり健吾くんのこと気になるのかなあ。

 やっぱり彼に嫉妬してるのかな……。

 なんて、私うぬぼれ過ぎ?

 とにかく私は健吾くんに一切そんな気持ちは抱いていないし、たぶん健吾くんだってもう私にそんな気は無いと思う。

 だからこれ以上、変に健吾くんとの関係を弁明しなくたっていいよね?

 下手に何回も言い訳したら、かえってあやしい気がするし……。

 うん、「健吾くんは友達のひとり」ってりっちゃんにはちゃんと説明したんだから、もう大丈夫だよね。