健吾くんと一緒に、カフェに入店してから。

 しばらくは去年のクラスメイト達の話とか、今のクラスでどうなのかとか、他愛のない話をしていたけれど。

 話が一段落したところで、健吾くんが急に真剣な顔になった。

「……ってか、さっきも言ったけど。去年のことはマジでごめんね」

「えっ……。う、うん」

 さっき謝られたことでもう解決済みだって思っていた私は、戸惑いながらも頷く。

 すると健吾くんは、神妙な面持ちのままさらにこう続けた。

「あの時の俺、どうかしてたんだ……。ぶっちゃけ柚葉ちゃんが初恋でさ。好きな気持ちが募りすぎて、どうしたらいいかわからなかったんだよね」

「そ、そうだったんだ」

 過去の気持ちだとはいえ、「好きな気持ちが募りすぎて」なんて言われて、照れてしまう私。

 ほ、本当に健吾くんは私のことを好きだったんだなあ……。

 いまだに、人気者の彼がなんで私なんかを?って思っちゃうけど。

「だから柚葉ちゃんを怖がらせるようなことをしちゃって……。マジでごめんね」

 何度も謝罪してくる健吾くんに、こっちの方が申し訳ない気持ちにさせられてしまった。