冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。


「ちょ、せめておにぎりだけでも食べさせてよ〜」


「ダーメ。時間ないんだからね?早く行くよ」



お腹を空かせた私の願いはもちろん叶うはずもなく、体操服を持って泣く泣く更衣室に向かったのだった………。


***

「キャー!伊織くん頑張って〜!」


「やば、橘くんめっちゃかっこいい♡」



5時間目の体育中。


体育館のあちこちから女子の悲鳴のような声が聞こえてくる。他のクラスと合同でやっていて、自分のクラスの応援もせずにずっと伊織に熱い視線を送っている。


ちなみに私は伊織と同じクラスで、応援したくなくても嫌でも目に入ってしまう。



「………なんでここでもモテてるの………」


「そりゃ、橘くんがかっこいいからでしょ。お昼休みに告白現場見といて何を今さら」



ぼーっと伊織を見ていると隣にいた瑠璃がボソリとつぶやく。



「そうだけどさ、あんなバッサリ振るのに性格は冷たいのになんでそんなのがモテるのって思っただけ」