「空音、こい」



そのまま勢いよく私を立ち上がらせると視聴覚室の隣にある部屋……放送室に私を連れ出す。


何が何だか分からず、伊織に手を繋がれているのにドキドキを味わえずに緊張だけが走った。



「あ、あの……伊織?」


「そこで待ってろ」


「……?」



そして何を思ったのか伊織は放送室の機材を動かすと……


ーピーンポーンパンポン。


校内放送が流れる前の音が流れ始めた。


……って、えっ!?


今動かしたの伊織!?



「伊織!いったい何をするのよ!」


「ーーみなさんにお知らせがあります」



事の重大さに気づき、伊織を止めようと声をかけた時にはもう無駄だった。


まさか……いや、まさか……ね?



「俺、橘伊織と栗田空音は付き合っている。空音は俺の彼女だ。よって、これから空音を傷つけたものは何があっても許さない。頭の中に入れておくように」



うわぁぁ!


さ、最悪だーーー!