おい、今コイツって言ったな。



「あらま、そうだったの。大変だったわね。大丈夫?」


「あ、はい。少し寝たら多分良くなると思うので………」


「じゃあ、良くなるまでベッド使っていいわよ。あなたは授業に戻りなさいね」


「わかりました」



伊織の丁寧な受け答えでなんとか誤解を免れたけど………、さっきまでの2人きりの時のテンションどこいったのよ〜!


あんなことされたら勘違いしちゃうじゃない。


伊織のバカっ!



「じゃ、また後でな」


「うん。ありがとう」



そうお礼を言った直後、伊織は保健室から出ていった………。



***


「空音〜!あれから橘くんとはどうなったの?」


「ど、どうもこうも別に何も無かったよ?」



瑠璃に質問されてドキッとする。今は放課後。あれから結局放課後まで私は保健室にいた。


頭痛が長引いたとかじゃないんだけど………思いっきり爆睡してしまったのだ。