「落ち着けないよ!私……今から思ってることを伝えるんだから!」


「……え?」


「お願いだから私のわがままを聞いて!」



2人は目を見開いたあと私を見つめる。いつも大人しくて自分の気持ちを言わない私がこう叫ぶとは思っていなかったのだろう。


自分でも驚いている。


本当だったらこの夏休み、もっとロマンチックなところで伊織に想いを告げる予定だったのに。


でもそれまで待てない。


今、想いを告げなければきっと後悔する。



「私……伊織と話せなくて寂しかった。ずっと一緒にいて、ケンカをしてもすぐに仲直りしてたのに、今回は……伊織が私から離れていって……」



息をゆっくり吸って吐き出した言葉。


ずっとずっと思っていたことを伝えたかった。言っていて苦しくなるけど、私は続けた。



「苦しくて仕方なかった。咲坂さんが伊織を好きなように、私も伊織のことが……好きなんだって改めて気持ちを確信したの!」