自分勝手なのはわかってる。
だけど……伊織と話せないのが一番辛いんだ。
「あ、あの……」
「伊織くん!行こうか!」
深呼吸をして、伊織に話しかけた。多分今までで一番勇気を出した瞬間だった。
だけどそれに被さるように……咲坂さんが伊織に話しかけた。まるで私がいないかのように、目の前を通り過ぎていく。
一瞬目があった気がしたけどすぐにそらされて、伊織の隣に並んだ。
その姿を見て、ズキっと胸が痛む。
なんで……咲坂さんが伊織の隣にいるの?
そこは……私の特等席なのに。伊織もなんで、咲坂さんといるの。
「ああ」
「ふふっ。こうして伊織くんと一緒にいることができて嬉しい」
え……咲坂、さん……?
伊織……?
「……早く行くぞ」
今目の前で起こっている出来事が信じられない。私の目の前で……咲坂さんと伊織が腕を組んで歩いている。



