ーガラガラ。



「失礼します………って、先生いねぇのかよ」


「………そういえばドアの前にボードがあったような………」



ドアを開けて入った保健室は、先生はいなくてもぬけの殻だった。誰もいない保健室は当たり前だけどシン、と静まり返っていてとても静か。


………こ、これって伊織と2人きりなのでは!?


状況を把握するのに約数秒。頭の中で状況を理解した私の心臓はバクバクと激しく鳴っていた。さっきまで瑠璃と伊織の話をしていたせいか、いつも気にしないとこを気にしてしまって落ち着かない!



「とりあえずベッドに乗せるぞ」


「う、うん………!」



深呼吸をしているといつもより間近にある伊織顔にドキッと心臓が跳ね上がる。


あわわっ!


平常心、平常心………。



「どっか痛むところあるか?」


「うーん………頭が痛いくらいで特にはないかな」



私をベッドに乗せると先程とは打って変わって優しい声色で話す伊織。