「また伊織は1人で背負い込むつもり?私たち幼なじみじゃない。大丈夫!私は強いんだよ?もう、弱虫じゃないの。伊織の力になりたい。伊織に守られてばっかりは嫌なの。お願い、協力させて」


「空音……わかった。だけど無茶はするなよ?なにかあったらすぐに俺にいうこと。あと……俺たちは幼なじみじゃなくてカレカノだから」



空音に負けた。


真っ直ぐな気持ちと、視線に……負けた。ああ、やっぱり空音は最高の彼女だ。たとえ仮の彼女だとしても十分過ぎるほど頑張っている。


告白を待つと言ったのは俺だが……そろそろ限界かもな。もっと、空音を独り占めしたい。甘やかしたい。もっと……空音を近くで感じたい。


幼なじみじゃなければと何度思ったことだろう。


だけど……俺はこの関係を変えてみせる。俺の、空音を思う気持ちで。



「ちょ、伊織?何すん……ひゃあ!」



俺は空音を抱きしめてそっとおでこにキスを落とす。正式なカップルじゃないからまだくちびるにキスは出来ないけど。