「い、伊織くん………!ずっと前から好きでした………。良かったら、私と付き合ってください!」



う、わー!
今告白したよね!?


しかも告白してる女の子ってウチの学年で超可愛いと有名な咲坂さんじゃない!?


私はいけないと分かりながらも物陰に思わず隠れて〝偶然〟目撃した告白現場の行く末を見ていた。まさか、こんな生告白を見るなんて!


ドキドキしながら、顔をそーっとのぞかせる。



「は?あんた、誰?」



顔を出した瞬間、聞こえてきたのはゾクリとするほど冷たい声。その声を聞いて私はビクッと肩を揺らした。


………伊織ってこんな低い声出せたんだっけ………?



「え、えっと………。咲坂美桜って言うんだけど………ほら、委員会が同じだった。覚えていない?」



………なんか可哀想だな………。あの人気者の咲坂さんがお、怯えちゃってるよ……。


というか、伊織は一体何を考えてるわけ!?