Never Forget You

「そーちゃん…」

祥太郎くんが今度は近寄ってきた。

「引退、するの?」

心配そうにそーちゃんを見つめる。

「…今年には辞めないけど、来年のシーズン終了には引退すると思う」

そーちゃんの口から初めて。

ハッキリとした引退時期を言われた。

「そうなの…」

あまりにも寂しそうな表情を祥太郎くんが見せるからそーちゃんは笑って

「辞めても、一生、お前を見ててやるから安心しな」

祥太郎くんの頭をポンっと触ったけど、祥太郎くんは涙を浮かべて

「俺…そーちゃんと一緒のクラスで走りたかった」



今年、高校生になった祥太郎くんは拓海くんが最後にエントリーしていたGP250というクラスに初参戦していた。

そーちゃんはSB。

クラスが違う。



「走れない事、ないぞ。
来年、お前がSBに挑戦すればいい」

…そーちゃん。

祥太郎くんを

挑発している。



「…無理」

祥太郎くんは肩を落とすと

「じゃあ、俺が250に参戦するよ。
スーパーバイクとWエントリーで」

ニヤリ、とそーちゃんは笑う。



この発言に周りはア然とした。

私もびっくり!

引退するっていう人が、Wエントリーって。



現役、続けたほうがいいんじゃない?