Never Forget You

「ま、今すぐに死ぬわけじゃないし。
このオフはそー、頑張って色々覚えてもらうから。
まだ今年は…引退するな。
祥太郎にとってもライダーとしてのそーの存在は必要だから」

そーちゃんははい、と頷いた。

「真由ちゃんも、そーをサポートしてあげて欲しい。
俺の会社は小さいようで案外大きい存在だから、一人では大変だ。
…頼んだよ」

私は泣きながら頷くしか、出来なかった。

そーちゃんの手が背中に回されて、ポンって軽く叩かれて、撫でられた。



「それと」

賢司さんは続けてこう言った。

「そー、そろそろ子供作ったら?
睦海一人じゃ、万が一拓海のような事故があった時、親としたらやり切れないよ…」



賢司さんの悲しみが。

初めて聞こえた気がする。

私は涙を抑えて顔を上げた。



「祥太郎は、俺とは全く血が繋がっていないけど、それでも拓海がいなくなってからあいつがいてくれてどれだけ助かったか。
…お前なら、睦海に注ぐ愛情も、自分の本当の子供への愛情も変わらないはずだよ」