Never Forget You

「真由、じゃあ行こうか?」

その言葉に頷くと、そーちゃんは口元に笑みを浮かべて私の手を取った。



季節は巡り、年が明けて1月中旬。

私は入院する事になった。

3月に出産予定なんだけど、このままじゃ早くに生まれそうだから、と入院する事に。



お店が休みの水曜日に入院する事になって、そーちゃんが車で送ってくれる事に。

睦海は実家に預かってもらった。



「なんか二人きりって久しぶりな気がする」

そーちゃんは車内で嬉しそうに言った。

確かに。

そーちゃんはライダーを引退したけれど、チャンピオンには変わりなくて、あちこちに挨拶に行ったり、取材などに追われていた。

お店も大変で。

そーちゃんがいない事が多いから彩子さんが店長代理をしたり。

年が明けてようやく落ち着いたけど、私の入院。

そーちゃんはなかなか落ち着けなかった。



「そうだよね!
二人だけでいる事ってないもんね」

私が言うと

「そうだ、病院へ行く前に少しだけお茶しない?
今度子供が生まれたら、ますます二人の時間なんてなくなるし」

私はその誘いを笑って受け入れた。