桜が咲いているのが、家の窓から見える。


私は、ふと思い出す。
桜が咲いたあの10年以上前の事を。


中学の入学式で同じクラスになったあなたは一番前の席に居た。


私は、一番後ろの席で、あなたの背中をずっと見ていたんだ。


私は、あなたをずっと目で追ってしまっていた。


自分の気持ちに気がついたとき
私は、あなたに出会えて良かったって思った。



そんなことを想いながら
あなたの背中を見つめた。


あなたと目があった。
微笑んで、私の隣に来て肩を組んだ。



わたしは、あの時、
恋に落ちた。愛を知った。



わたしは、今
とても幸せ。



きっと、命が終わるまで
終わっても
一生、
あなただけを愛している。



レースのカーテンから
うっすら見える影からは、
ふたりが唇を重ねている姿が見えるような気がした。




『りか』
『みずき』
『「愛している。」』



ーーーーーー完ーーーーーー
    一番前の席のあなたを
           rinna