しばらく歩いた時だった。障子の張られたドアの向こうからしゃりん、しゃりん、こつん、こつん。
と物音がした。今までこのお屋敷で聞いたことのない音。この先には何がいるの?
本当は入りたくなかった。けれど、もう入ってない部屋はここだけだった。命の玉があるとしたらここ。もう、入るしかない。
私はそーっとドアを開け、少しの隙間から部屋をのぞいた。そこには、着物の女の子がいた。私より小さい。そして手足が異常なほどに細い。
しばらく見つめていると、女の子が首だけでこちらを向いて、ニヤッと笑った。
「ひっ!?」
思わず声にならない悲鳴を上げていた。
棚の上に丁寧に置いてあったのは… きらきら光るビー玉のような赤い、きれいな玉。根拠はないのに、絶対これが命の玉なんだと思った。