恋愛はもうしないと決めたのに、次期社長にアプローチされて困ってます!

総悟の声に五月は顔を上げる。総悟は、こちらの様子を伺うようにジッと見つめていた。その様子はまるで悪戯をしてしまった子どものようで、五月はどこか可愛いと思いながらも首を横に振る。

「いえ、突然だったので驚きましたけど……。大丈夫ですよ。予定もなかったですし。女性社員の憧れの的の恋川さんと、今日会社に入ったばかりの私が一緒にいるなんてバレたらまずいんじゃないかなとは思ってますけど」

「予定がなかったなら安心したよ。……宇佐美さん、ここは会社じゃなくてもうプライベートだよ。僕が誰と一緒にいようが関係ない」

真剣な目で言われ、五月の胸がギュッと締め付けられる。何故、会社に入ったばかりの自分にそんな顔をするのかがわからない。訊ねようと五月が口を開きかけた時、頼んだ料理が運ばれてきた。

スモークサーモンのフラワーサラダ、イカのフリット、ボンゴレビアンゴ、ジュノベーゼ、そして白ワインがテーブルに置かれる。