用事ができたと嘘をついて帰ってしまおうか、そんなことを五月が考えていると、総悟の大きな手がメニュー表に触れた。そして、ゆっくりと五月の手からメニュー表が奪われていく。
メニュー表で隠れていた総悟の顔がはっきりと見える。総悟は「そんなに緊張しなくてもいいよ。肩の力抜いて」と言い、笑った。
「とりあえず、適当に頼んでいいかな?」
「はい。お任せ、します……」
総悟は、普段はきっとドラマに登場するような高級レストランで食事をしているのだろう。だから緊張もしないのだ。五月は俯きながらウエイターに注文する総悟の声をぼんやりと聞いていた。
五月の耳には、人々の話す声と食器が触れる音、そしてどこからか流れてくるピアノの音が入り込んでくる。賑やかなファミレスとは全く違い、落ち着いて食事ができそうなところだ。
「ここ、今社内でおいしいって話題になっててね。でも一人で食べるのは寂しいから……。だから今日、宇佐美さんを誘ったんだ。……急にごめんね」
メニュー表で隠れていた総悟の顔がはっきりと見える。総悟は「そんなに緊張しなくてもいいよ。肩の力抜いて」と言い、笑った。
「とりあえず、適当に頼んでいいかな?」
「はい。お任せ、します……」
総悟は、普段はきっとドラマに登場するような高級レストランで食事をしているのだろう。だから緊張もしないのだ。五月は俯きながらウエイターに注文する総悟の声をぼんやりと聞いていた。
五月の耳には、人々の話す声と食器が触れる音、そしてどこからか流れてくるピアノの音が入り込んでくる。賑やかなファミレスとは全く違い、落ち着いて食事ができそうなところだ。
「ここ、今社内でおいしいって話題になっててね。でも一人で食べるのは寂しいから……。だから今日、宇佐美さんを誘ったんだ。……急にごめんね」


