同期だけの飲み会で話しかけられたり、
社内でたまに声をかけられるくらい。
宮森は一体何を考えているんだろう。
もしかして、バレンタインだから?
実は私からチョコレートが欲しくて…
……
そんなわけないじゃん。
宮森みたいな人、女友達も彼女だっているだろうし…
私みたいな陰キャ女子なんかのチョコ、
期待するわけない…
『間もなく発車します。
駆け込み乗車はおやめください』
え!宮森戻って来ないよ?
鞄ここにあるのにやばい!
プルルルル…
とドアが締まることを知らせる音が鳴り響いた。
窓に顔をくっつけ、宮森を探すが来る気配がない。
背後でバタンとドアが閉まる音がした。



