どのくらい時間が経ったかわからない。
一人で少し歩いてみたけど、また気分が悪くなって、
その辺にずっとうずくまって
2回目の吐き気に耐えていた。
山本君は友達が近くにいるからとか何とか言って
あっさり消えた。
面倒は嫌なんだな。
にしても、ひどい奴。
人通りのない真っ暗な狭い路地裏。
どこかの飲み屋で閉店後の片づけをしているのか
店員の話し声や食器が
カチャカチャぶつかる音が聞こえてくる。
碧斗たちはどうしただろうか。
あの後どこかに行ったのかな?
まだ二人でいるのかな?
こんな時、碧斗がいてくれたら…
ドジで何もできなくたって、
そばにいてくれるだけで心強いはず…
「ふっ…うう…碧斗…」
食べたものじゃなくて、涙が溢れ出てきた。



