「ごめん、ありがと。
全部個室だし、襖全部しまってて部屋の中見えないし、
間取り迷路みたいだし」
「でも、私たちの部屋とトイレ
めちゃくちゃ近いよ」
「そうだっけ?」
やれやれ。
こういうことは今までに
数えきれないくらいあったからなぁ。
結局碧斗は私がいないとダメなんだなぁ。
「部屋あそこだから、先に入ってて。
一緒に帰ってきたら怪しいから、
私はしばらくして入る」
「そんなこと気にしなくていいのに」
碧斗が部屋の襖を開けると、
びちょびちょのズボンを見て爆笑する
山本君と会田っちの声が廊下に漏れた。
おしりの方まで濡れている碧斗の後姿を見て
私も思わず吹き出してしまった。
イライラすることもあるし、
喧嘩もするけど、
マイペースでちょっとドジでかわいい碧斗のこと
やっぱり好きだな。
仕方ない…
向こうが謝ってきたら、
仲直りしてあげよう。



