碧斗の取り皿には、
料理がどんどん積まれていく。
うん…
何が起こったかは大体想像できる。
「ごめん、私お手洗い行ってくる」
「おっけー」
碧斗がまだ戻っていないタイミングで席を立つと
二人でコソコソしてるんじゃないか
と思われるかな?
ま、山本君と会田っち、
結構酔って二人で盛り上がってたから大丈夫か。
部屋を出て、慌ただしく動き回る店員たちを
かわしながら、
店内のお手洗いの案内表示を辿った。
と、その時、
私たちの個室とは反対方向に行く道で
碧斗の後姿をとらえた。
「碧斗!」
「まーちゃん」
碧斗がほっとした顔で私に近づいてくる。
「迷子になった」
「だろうね」
「まーちゃんも?」
「なわけないでしょ!
碧斗を探しに来たの」



