あーあ…

合コンの直前に
「生涯独身でいーんだぜ!」
なんて題名の本を読んじゃってる。

会田っちもそれに気が付いたのか、
私にしか聞こえない声で
「イケメンなのに、変わった人?」とつぶやいた。

まあ、初対面ならそう思うよね。

でも彼の場合、
合コンなんてやる気ないよって
見せつけてるわけじゃなくて、
天然にその本が読みたくて読んでる。

いつもこんなだから私は大して驚かない。
先月だって、予約必須の総合病院で
親知らずの抜歯手術の直前に携帯ゲームをしていて、
もうすぐボスキャラが倒せるから
30分待って欲しいって
看護師に交渉したくらいなんだし。
ま、そんな話は通るはずもなくあっさり
ゲームを取り上げられたわけだけど。

なんていうか、
周りを全く気にしない
ちょっと迷惑な天然マイペースなのだ。

「…あれ?」

碧斗が本を閉じて私を見上げた。

「なん──」