「違うんです…
そんなことどうでもいいんです」

私は有瀬さんの正面を向いた。

「私オタクだってことを知られて、
有瀬さんに嫌われるのが怖かったんです」
「え?なんで嫌いになるの?」
「オタクなので」
「オタクだとなんで?」
「二次元の男の子が好きとか
気持ち悪くないですか?」
「全然。
そんなこと言ったら、
僕の趣味の方が気持ち悪いよ!」
と言って、有瀬さんはスマホを取り出す。

「見て」

スマホの画面にはどこかの神社の鈴の映像が。

「お賽銭入れて、お祈りするとこですよね?」