「あれぇー?
鍵がないー…」
玄関ドアの前で鞄の中を漁っていると、
中に入っていたBL漫画が飛び出てしまった。
「落ちたよ。はい」
私は慌てて有瀬さんの手からそれをひったくる。
「あ、ごめん」
「いや、あの…
ごめんなさい!」
よかった、カバーをかけてて…。
「あ!そういえば、
この前貸してくれるって
言ってた小説!」
「あ~!
忘れてました!
ちょっとここで待ってて下さい。
持ってきますので」
有瀬さんが小説好きで、
共通の話題が欲しくて、
最近小説を読みだしたのだ。
「あれ、どこに置いたっけ…」
部屋の中で必死に探すけど見つからない。
酔ってて頭も回らない。
どうしよう。
有瀬さんが待ってる…
早く…早く…
どこ…?



