とある会社の色んな恋





「じゃあ、最初僕を見た時、
ヤンキーが会社に
乗り込んできたと思ったの?」
「すみません!
ヤンキー漫画から
飛び出したような見た目だったので…。
って、失礼ですよね」

有瀬さんは笑って
首を横に振った。

「気にしないで。
目つき悪いって
昔から言われるから!」
「でも、毎日見ていて、
すごく礼儀正しくて、
誠実で、明るくて、
キラキラした人だなと気づいて…」
「そんなに褒めないで。
照れるよ、ははは」
「ほんとのことです…」

有瀬さんは照れ笑いをしながら、
揚げ物をいくつかお皿に並べた。

「どう?」
「おいしいです!」



いつもと同じ、
仕事で疲れた平日の夜なのに、
家で一人、アニメを見ながら
温めたレトルト食品を食べているより、
楽しくてわくわくする素敵な時間。


小さくてボロボロの弁当屋の
古い厨房の片隅で、
色気のない椅子に座り、
缶ビールと餃子を食べながら、
お互いのことを話す。